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LLM Wikiって何?エンジニアも知らなかった新トレンドを実践 (ep.85)

おちつきAIラジオ 第85回(EP.085)/配信日: 2026.07.10/再生時間: 01:54:18

この回の概要

今回は「LLM Wiki」という新しい概念を、AIエンジニアのしぶちょーが実際に構築してみた実践回です。番組の文字起こしデータをもとに作った「おちつきAIウィキ」を題材に、LLM WikiがRAG(検索拡張生成)とどう違うのか、なぜ知識が自動で育っていく仕組みが重要なのかを解説します。この回を聴くと、LLM Wikiの考え方と作り方、個人のナレッジ管理への応用方法までがわかります。

しぶちょーはまず、おちつきAI RAGの文字起こしデータをもとに作った「おちつきAIウィキ」を紹介します。番組内で語られた単語がすべて項目としてまとまっており、ウィキペディアのような形式で、AIグラスやゲートボックスなど番組で扱った概念ごとに、しぶちょーとかねりんがどう語ったかが記録されています。トップページの「グラフで全体像」からはナレッジグラフ(バブルチャート)を見ることができ、よく話題に上る単語ほど玉が大きくなり、概念同士のつながりが線で可視化されます。現時点では漢字表記の揺れなど精度面の課題も残っていると説明されました。

続いてしぶちょーは、比較対象としてRAGの仕組みをおさらいします。RAGは生成AIの外部に知識を蓄え、質問に応じて参照させる「検索拡張生成」の仕組みです。文字起こしを90秒ごとにチャンク分けし、意味をベクトルに変換して検索できるようにし、文脈が途切れないようオーバーラップさせながらインデックス化します。全文を毎回読みに行くと処理時間とトークン消費が膨大になるため、意味の近いチャンクだけを検索して答えを生成する仕組みだと解説されました。

ここでしぶちょーは、LLM Wikiの提唱者がアンドレイ・カーパシーであることを紹介します。カーパシーはバイブコーディングという言葉を生み出した人物で、OpenAIの共同創業者の一人、その後テスラのAIディレクターを経て、現在はAnthropicに所属しています。カーパシーが問題視したのは、コンテキストウィンドウの拡大だけでなく、RAGが質問のたびにゼロから知識を発見し直し、同じ計算を毎回繰り返している点です。一度良い質問に答えたなら、その知識と結びつきを蓄積していくべきだというのがLLM Wikiの発想で、新しい情報が追加されると既存の項目が更新され、矛盾があればLLM自身が判断して修正していく点がRAGとの大きな違いだと語られました。

LLM Wikiの構成についても説明がありました。生のソースデータはそのまま置いておき、その上に「ウィキ層」を構築し、さらにその上に「スキーマ」というウィキの更新ルールを定義します。かねりんのように自分のデータをClaude Codeで管理している場合も、このウィキ層を挟むことで、毎回大量のソースを読みに行かずウィキのインデックスをたどって検索できるため、トークン消費を大きく抑えられる利点があると説明されました。ウィキの実体はマークダウンファイルの集合で、閲覧用にはグラフビューが使えるObsidianが推奨されています。

カーパシーが挙げるLLM Wikiの活用例として、自分自身の目標や健康、心理的な自己改善のための日記やメモの整理、数週間かけて特定分野を深掘りするリサーチ、読書メモとして登場人物やテーマの結びつきを整理する使い方、企業やチームの社内ウィキとしての活用が紹介されました。かねりんはこれを聞き、自分の仕事や日々の情報をまとめる「かねりんウィキ」や、ため込んだまま見返していないリサーチメモの活用に使えそうだと共感し、原体験や自己分析についての脱線トークにも発展しました。

最後にしぶちょーは、実際にウィキを構築する際の注意点を共有しました。GitHub上に公開されているカーパシーのマークダウンファイル(LLM Wikiの考え方をまとめたもの)をClaude Codeなどに読み込ませれば構築を始められますが、自律的に更新させようとするとClaude Codeが外部APIキーを要求し、知らないうちに約50ドルの課金が発生したという実例が語られました。「お前がやれ」と作業をClaude Code自身にやらせれば追加課金なしで進められること、80エピソード分のデータを最大のエフォート設定で構築したところ利用上限に複数回到達したことも共有され、初めて作る場合はまず少ない項目数で試すことが勧められました。

目次(タイムスタンプ)

  • 0:00:00 オープニング
  • 0:01:30 話題の「LLM Wiki」とリスナーからの質問
  • 0:04:42 実物公開 おちつきAI Wikiとナレッジグラフ
  • 0:07:39 仕組み RAGのチャンクから番組Wikiを生成
  • 0:12:27 なぜ「番組専用」のWikiにしたのか
  • 0:16:38 お勉強タイム LLM Wikiとは(カーパシーが提唱)
  • 0:21:00 そもそもRAGとは(検索拡張生成のおさらい)
  • 0:30:01 RAGの限界とLLM Wikiの違い(都度生成と蓄積)
  • 0:37:32 LLM Wikiのアーキテクチャ(生ソース→スキーマ→Wiki層)
  • 0:44:56 知識を「繋げる」力とObsidian・論文Wiki
  • 0:51:11 Wikiはサービスになる? ジャンルを絞る使い方
  • 1:00:01 脱線 原体験と「今ここ」をめぐる対話
  • 1:16:48 日記をWiki化する/紙とデジタル
  • 1:25:51 実践 Claude CodeでWikiを作る(課金の落とし穴)
  • 1:33:19 お便り OpenClawで暮らしにAIを溶け込ませる
  • 1:48:32 エンディング(深掘り回のまとめ)

今回の要チェックキーワード

LLM Wiki(LLM Wiki)
LLMが自律的に情報を要約・統合・相互リンクし、複利的に蓄積・進化していく永続的な個人用ナレッジベースを構築・維持する手法。
アンドレイ・カーパシー(Andrej Karpathy)
OpenAIの創設メンバーやテスラのAIディレクターなどを歴任し、「LLM Wiki」の概念を提唱した著名なAI研究者。
Obsidian(オブシディアン)
ローカル環境で動作するMarkdownベースのノートアプリであり、LLM Wikiにおいては人間が知識のつながりを視覚化・管理するためのエディタ(IDE)として機能するツール。
新結合(New Combinations)
経済学者ヨーゼフ・シュンペーターが提唱した「既存の知識や要素の新しい組み合わせこそがイノベーションを生み出す」という概念。

この回でわかること(Q&A)

LLM WikiとRAGの違いは?

RAGは質問のたびに外部データをチャンク検索し、ゼロから回答を組み立てる仕組みで、知識同士のつながりは蓄積されません。LLM Wikiは一度得た知識や回答をウィキとして永続的に蓄積し、新しい情報が来るたびに関連する項目を更新していく点が異なります。

LLM Wikiは誰が提唱した概念?

バイブコーディングという言葉を生み出したことでも知られるアンドレイ・カーパシーが提唱した概念です。OpenAIの共同創業者の一人で、テスラのAIディレクターを経て、現在はAnthropicに所属しています。

おちつきAIウィキは何をもとに作られている?

おちつきAI RAGに蓄積されている番組の文字起こしデータをもとに作られています。番組内で語られた単語や概念がすべて項目としてまとめられ、それぞれについてしぶちょーとかねりんがどう語ったかが記録されています。

LLM Wikiを作るとトークン消費は減らせる?

減らせます。生のソースファイルを毎回全文検索する代わりに、ウィキのインデックスをたどって必要な項目だけを参照できるため、Claude Codeなどで扱う際のトークン消費を大きく抑えられると説明されています。

LLM Wikiはどうやって作れる?

GitHub上で公開されているアンドレイ・カーパシーのマークダウンファイルをClaude CodeなどのAIツールに読み込ませ、自分の文字起こしデータや文書を渡して構築を指示すれば作れます。自律更新のために外部APIキーを要求されると課金が発生するため、作業自体をAIにやらせる指示をする点が注意点として挙げられました。

関連リンク

この回を聴く

「おちつきAIラジオ」は、日々のAIトピックを現役のAIエンジニア(しぶちょー)と元刑事のポッドキャストプロデューサー(かねりん)がやさしく解説する対談番組です。