[6月23日:速報回]輸出規制でFable 5凍結、日本国産「Sakana Fugu」が本命に!(ep.80)
おちつきAIラジオ 第80回(EP.080)/配信日: 2026.06.23/再生時間: 01:47:13
この回の概要
今回は速報回で、直近1週間のAIニュースをテンポよく振り返ります。Fable 5とMythosの停止騒動の裏事情、Sakana AIの新モデル、Midjourneyの医療分野参入、SpaceXによるCursor買収、そしてリスナーから寄せられたLLM Wikiに関する質問への回答まで扱われます。この回を聴くと、話題になった各ニュースの背景や技術的な仕組みの違いがわかります。
最初のトピックはFable 5とMythosの停止騒動です。1週間経っても進展なしという状況が報告され、海外のオールインポッドキャストというポッドキャストの分析が紹介されました。もともとAnthropicとアメリカ政府の関係が悪化していたところに、Anthropicが韓国の財閥系通信会社SKテレコムへMythosの利用を政府に相談せず認めていたことが発覚し、中国とのつながりが疑われるこの企業への提供が政府の強い不信感を招いたという見立てが語られます。さらにガードレール付きのFable 5にジェイルブレイクの脆弱性が見つかったこともあり、政府の規制強化につながった可能性が指摘されました。この騒動の裏では他のAI企業が勢いづいており、今週だけでも複数の企業が「Mythos相当」を掲げるモデルを発表したと話が続きます。
続いて紹介されたのが、日本のSakana AIが発表したFuguおよびFugu Ultraです。単一の巨大な基盤モデルを新規開発するのではなく、複数の自社開発モデルを束ねる「オーケストレーター」の技術を洗練させることで、Mythosや Fable 5に肩を並べる性能をベンチマーク上で達成したと説明されました。下位で動くモデルがすべて自社製であるため、輸出規制のリスクを負わずに済む点が強みとされます。しぶちょーは実際に課金して1000番ベンチマークで試し、性能自体はOpus 4.8を上回るものの見劣りする部分もあり、トークン消費が非常に激しく割高だと感想を述べました。
合わせて、OpenRouterが提供するFusion APIも取り上げられました。こちらも複数の既存モデル(GeminiやClaudeなど)を組み合わせて得意分野ごとに振り分けるオーケストレーター型の仕組みで、特定のベンチマークでMythosを上回ったと話題になったものの、あくまで一部タスクでの結果である点が整理されました。
次にMidjourneyが発表した「Midjourneyスキャナー」が紹介されました。画像生成AIの市場が飽和しつつある中で、水の振動を利用して全身を数十秒で3Dスキャンする新事業「Midjourney Medical」を立ち上げたという内容です。CTのような大掛かりな設備が不要で、将来的にはスパなどの施設に設置し、日常的に体のデータを取得できる仕組みを目指していると語られました。画像生成AI各社が一般向け市場の頭打ちを受けて医療やメディア制作といった専門分野へ事業転換している流れの一例として位置づけられています。
さらに、スペースXがAIコーディングツールのCursorを約9兆6千億円で買収することに合意したというニュースが紹介されました。CursorはマイクロソフトのVS CodeをフォークしたAIネイティブなエディタで、しぶちょーは現在VS Codeを主に使っていると述べつつ、今後はイーロン・マスクが手がけるGrokとの連携が強化されていくと予想しました。これに関連してGrokの新プラン「スーパーGrokヘビー」にも話が及び、月額100ドルや200ドル、300ドルといった高額プランが用意されており、Claudeの上位プランよりも割高だという感想が語られました。
番組終盤のリスナー目安箱では「LLM Wikiと昔のWiki、RAGとの違い」という質問が取り上げられました。RAGは文字起こしなどをチャンクに分割してインデックス化し、質問のたびにゼロから検索して回答を生成する仕組みで、情報が体系化されない点が課題とされます。これに対しアンドレイ・カーパシーが提唱するLLM Wikiは、生データをもとにAIが永続的にウィキ形式で情報を構造化し、関連する知識同士をリンクさせていく発想です。おちつきAIの過去の文字起こしをもとに独自のウィキを作ることも検討したいと締めくくられました。
目次(タイムスタンプ)
- 0:00:00 Fable/Mythos停止騒動の現状、進展なし
- 0:10:26 国産「Sakana AI」がFable/Mythos級モデルFuguを公開
- 0:18:44 オーケストレーターAIと得意分野を活かした連携
- 0:31:30 高コストなAIモデルとClaudeの比較、個人利用の難しさ
- 0:37:45 Sakana AIによる健全な国内ループ構築への期待
- 0:48:06 サウナとの親和性と、水風呂でのスキャンアイデア
- 0:56:28 Grokのリサーチ能力の変化と課金プラン比較
- 1:11:03 AIを活用した事業構想とプロダクト開発への意欲
- 1:17:19 細木数子の人生に見る金銭哲学
- 1:25:33 LLM Wikiによるナレッジ整理とObsidian、おちつきAIウィキ構想
- 1:42:10 スポンサー獲得の呼びかけ/エンディング
この回でわかること(Q&A)
なぜFable 5とMythosは停止されたままなのですか?
海外のオールインポッドキャストの分析によると、AnthropicがSKテレコムという中国とのつながりが疑われる韓国の財閥系通信会社にMythosの利用を認める際、アメリカ政府に事前相談しなかったことが強い不信感を招いたとされています。さらにガードレール付きのFable 5にジェイルブレイクの脆弱性が見つかったことも重なり、規制強化につながった可能性が指摘されています。
Sakana AIのFugu Ultraはどんな技術で作られていますか?
巨大な基盤モデルを新規開発するのではなく、複数の自社開発モデルを統括する『オーケストレーター』の仕組みを洗練させることで、MythosやFable 5に匹敵する性能をベンチマーク上で達成しています。下位のモデルがすべて自社製であるため、輸出規制のリスクを負わない点が特徴です。
Fusion APIとSakana AIのFuguは同じ仕組みですか?
どちらも複数のモデルを組み合わせて性能を引き出すオーケストレーター型ですが、Fusion APIはOpenRouter経由でGeminiやClaudeなど他社の既存モデルを組み合わせているのに対し、Sakana AIのFuguは下位モデルも含めてすべて自社開発である点が異なります。
MidjourneyスキャナーはCTと何が違いますか?
水の振動を利用して全身を数十秒で3Dスキャンする仕組みで、CTのような大掛かりな専用設備や技師が不要です。将来的にはスパなどの施設に設置し、日常生活の中で自然に体のデータを取得できるようにすることを目指していると説明されています。
LLM WikiとRAGはどう違いますか?
RAGは文字起こしなどをチャンクに分割してインデックス化し、質問のたびにゼロから検索して回答を生成する仕組みで、情報が体系化されません。LLM Wikiはアンドレイ・カーパシーが提唱した概念で、生データをもとにAIが永続的にウィキ形式で情報を構造化し、知識同士をリンクさせていく点が異なります。
この回を聴く
「おちつきAIラジオ」は、日々のAIトピックを現役のAIエンジニア(しぶちょー)と元刑事のポッドキャストプロデューサー(かねりん)がやさしく解説する対談番組です。