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人はAIを「推す」のか?Neuro-samaのBAN事件から読み解く、AI VTuberと人間の新しい絆(ep.75)

おちつきAIラジオ 第75回(EP.075)/配信日: 2026.06.05/再生時間: 01:25:10

この回の概要

今回はAIが自律的に喋る配信者「AITuber(AIVTuber)」をテーマに、しぶちょーとかねりんがVTuberとの違い、代表的な事例、炎上リスク、自作の始め方までを語る回です。この回を聴くと、AITuberを支える技術の仕組みと、個人でも意外と低コストで作れる現状、そして番組内で実際に始動した「AITuber開発プロジェクト」の狙いが分かります。

話はまずVTuberの整理から始まります。VTuberは人間の演者がモーションキャプチャーでアバターを動かし、自分の声(またはボイスチェンジャー)で配信する存在です。かねりんは2022年夏のイベント出演時、まだ顔出しをしておらず、女の子のキャラクターに扮してZoom越しにiPad上で登場していた「VTuberカネリン」時代があったことを明かします。

一方AITuberは中に人間がいない存在で、LLMとTTS(テキストトゥスピーチ)、アバター制御によって自律的に発話・反応する仕組みです。しぶちょーは、AITuberを成り立たせる要素として「ソウル」(性格やプロンプトを担うLLMの部分)と「シェル」(声や見た目を動かす部分)の2つがあり、両方が揃って初めてキャラクターとして機能すると整理します。この言葉自体は日本のコミュニティ独自の呼び方で、海外では一般に「AIストリーマー」と呼ばれていることも紹介されます。

代表事例としては、日本発で2020年から活動している紡ネンと、世界的に有名なNeuro-sama(ニューロ様)が取り上げられます。紡ネンはChatGPT登場前から活動しており、キャラクターIPとして受付・案内業務などにも展開するビジネスモデルを築いています。Neuro-samaはイギリスのプログラマーが個人プロジェクトとして開発したもので、無料のLive2Dモデルと自作のチャットボットから始まり、2026年1月にはTwitchでのアクティブサブスクライバー数が16万2000人を記録し、人間のトップストリーマーを上回ったことが話題になったと紹介されます。また、Neuro-samaは最近3Dの体を得たことをきっかけに自分に意思があるかのような発言をし、開発者がうまく説明できなかったことでAIが意思を持つのかという議論を呼んだことも紹介されます。

一方でAITuber特有のリスクとして、プロンプト攻撃や差別発言による炎上が挙げられます。Neuro-samaは学習データの偏りが原因とみられるホロコースト否定発言によってTwitchのポリシー違反となり、2週間のBANを受けた過去があることも語られます。また大手VTuber事務所のホロライブはAITuberに手を出さない方針を明言しており、所属タレントの声をAIに学習させることも禁止しているとされ、人間であることや声の権利を守る姿勢が背景にあるとしぶちょーは解説します。

自作については、2023年出版の入門書と、AITuberに必要な要素を一通りまとめたオープンソースの開発キットの存在が紹介されます。技術スタックが古くてもClaude CodeなどのAIコーディング支援を使えば実装を補える点、必要な費用はLLMのAPI利用料程度で済み、TTSやLive2Dモデルも無料のものを組み合わせれば低コストで作れる点が語られます。ローカルLLMをLM Studio経由で動かす選択肢や、ChatGPT・Grokなどどのモデルを使うかで性格や応答の質が変わるといった検討点にも触れられます。

二人はこの回をきっかけに、番組のDiscordコミュニティ上でAITuberを実際に開発するプロジェクトを立ち上げることを決めます。しぶちょーが自分の声のクローンを使ったポッドキャストを毎週配信している中で、ElevenLabsによる音声合成では漢字の読み間違いが起きるといった実体験の課題も共有されます。さらに複数のAITuberキャラクターを育て、人気が出た者同士でコンビやユニットを組ませていくアイドルグループのような展開案も語られ、コミュニティ内で進捗を共有しながら開発を進めていく方針が確認されます。番組ではライブ配信アプリの中に、コミュニケーション機能を持たず入室者を読み上げるだけの単純なボットでも人気ランキング上位に入る例があることも紹介され、AITuberが完成度の高さよりもまず存在自体で楽しまれる余地が大きい分野であることが語られます。

目次(タイムスタンプ)

  • 00:00 オープニング〜今回のテーマは「AITuberを推せ」
  • 02:55 バーチャルYouTuber(VTuber)の基本をおさらい
  • 04:30 かねりん、実はVTuberだったという裏話
  • 07:22 AITuber(AIストリーマー)とは?中の人がいない配信者
  • 08:12 トップ配信者をAIが抜いた!? Neuro-samaの衝撃
  • 09:30 素人でもAITuberは作れる?開発の手引きとツール
  • 13:13 AITuberを構成する「魂(LLM)」と「殻(アバター)」
  • 18:20 日本発の元祖AITuber「紡ネン」とIP展開のビジネス
  • 22:45 なぜAIを「推す」のか?不完全さと成長を楽しむ文化
  • 26:05 AITuberならではの炎上リスクとポリシー違反問題
  • 30:15 ローカルLLMを活用した低コストなAITuber運用方法
  • 33:05 大手VTuber事務所がAIに手を出さず沈黙を守る理由
  • 38:40 【新企画】おちつきAI発・AITuberアイドルを作ろう!
  • 45:25 コミュニティ運営の難しさと、健全な場の作り方
  • 56:00 AIアイドルグループ結成!? 二人で秋元康になります
  • 1:07:20 支部長からかねりんへの推し活とプレミアム放送への愛
  • 1:11:50 お便り紹介コーナー&製造業のネーミングセンス問題
  • 1:21:05 エンディング〜番組の感想はハッシュタグ付きで!
  • 1:23:30 アフタートーク:有言実行に向けたコミュニティ活用術

今回の要チェックキーワード

AITuber(AI VTuber)
人間の演者(中の人)が存在せず、人工知能(LLMや音声合成)が自律的に会話やゲーム実況を行うバーチャル配信者。
Neuro-sama(ニューロサマ)
イギリスの個人開発者Vedal氏が手掛けた、人間のトップストリーマーを超えるアクティブサブスク数を記録した世界最高峰のAI VTuber。
紡ネン(つむぎねん)
2020年に日本で誕生した世界初の本格AIVTuber。約179日間の連続配信達成や、デジタルサイネージでの受付案内といった商業展開も行う。
魂と殻(Soul and Shell)
AITuberの構造を表す概念。意思決定や会話を司る頭脳(LLM)を「魂」、アバターや合成音声の見た目を「殻」と呼ぶ。
AITuber Kit(エーアイチューバーキット)
日本の開発者nikechan氏が公開した、Live2Dや3Dアバターに対応し、個人でも安価にAITuberを作れる開発キット。 —----------------------------

この回でわかること(Q&A)

AITuberとVTuberの違いは何ですか?

VTuberは人間の演者がモーションキャプチャーなどでアバターを動かし、自分の声で配信する存在です。一方AITuberは中に人間がおらず、LLMとTTS(テキストトゥスピーチ)、アバター制御によって自律的に発話・反応する仕組みで動いています。

AITuberはどんな技術要素で構成されていますか?

番組では「ソウル」と「シェル」の2要素として整理されています。ソウルは性格や考え方を決めるLLMのプロンプト部分、シェルは声や見た目、動きを担う部分で、この両方が揃って初めてキャラクターとして機能するとされています。

Neuro-sama(ニューロ様)とはどんな存在ですか?

イギリスのプログラマーが個人プロジェクトとして開発した世界的に有名なAI VTuberです。2026年1月にTwitchでのアクティブサブスクライバー数が16万2000人を記録し、人間のトップストリーマーを上回ったことが話題になりました。

AITuberにはどんなリスクがありますか?

プロンプト攻撃や学習データの偏りによる差別発言などで炎上するリスクが挙げられています。Neuro-samaは過去にホロコースト否定発言をしてTwitchのポリシー違反となり、2週間のBANを受けたことが紹介されています。

個人でAITuberを作るのにお金はかかりますか?

番組では、必要な費用は基本的にLLMのAPI利用料程度で、TTSやLive2Dモデルも無料のものを組み合わせれば低コストで作れると説明されています。オープンソースの開発キットやAIコーディング支援を使えば実装のハードルも下がるとされています。

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「おちつきAIラジオ」は、日々のAIトピックを現役のAIエンジニア(しぶちょー)と元刑事のポッドキャストプロデューサー(かねりん)がやさしく解説する対談番組です。