エピソード一覧

【音声入力AI】キーボードはもうオワコン!? 最新AI音声入力AIツール4選と「喋る方が疲れる説」の真相(ep.73)

おちつきAIラジオ 第73回(EP.073)/配信日: 2026.05.29/再生時間: 01:01:07

この回の概要

今回は、AI界隈でにわかに注目を集めている「音声入力ソフト」をテーマにした深掘り会です。最新の音声入力ソフトは単なる文字起こしではなく、裏でLLMが言い間違いや同音異義語を文脈から判断して整形してくれる点が特徴で、代表的な4つのツールの違いと、音声入力が本当に効率的なタスクは何かが分かる内容になっています。

しぶちょーはまず、音声入力ソフトの仕組みを説明します。かつての音声入力は聞き取った音をそのまま文字起こしするだけでしたが、現在の音声入力ソフトは裏でLLMを動かし、フィラー(えー、あー)や言い間違いを取り除き、同音異義語を文脈から判断して正しい表記に変換してくれる点が大きな進化だと語られました。かねりんが普段使っているiPhone標準のメモアプリの音声入力では、電話帳に登録した人物の名前と肩書きが脈絡なく差し込まれてしまうことがあると具体例を挙げ、専用の音声入力ソフトを使うメリットを実感していました。またしぶちょーは、これまで主な作業場所が電車内だったため声を出せず音声入力を避けていましたが、一人暮らしを始めたことで試せる環境が整ったと今回のテーマに至った経緯も語っています。なお、音声そのものをテキスト化する処理には主にオープンAIの「Whisper」というモデルが使われており、音声入力ソフトはこのWhisperによる文字起こしにLLMによる整形を組み合わせたものだと補足されました。

続いて4つの代表的なツールが紹介されます。1つ目は「Amical」で、オープンソースで無料、ローカルで動作するためセキュリティ面でも安心な一方、パソコンにそれなりのスペックを要求する点が特徴です。2つ目は「アクアボイス」で、クラウド処理により日本語精度とレイテンシーの速さに定評があり、多くのAI系発信者が推奨する定番ツールですが、月額10ドル程度のサブスクとクラウド処理特有の情報漏洩リスクが挙げられました。

3つ目は「タイプレス」で、アクアボイスを超えたと評価されることもあり、Mac・Windows・iOS・Androidの全プラットフォームに対応し特にスマホアプリの完成度が高い点が特徴ですが、レイテンシーはやや劣り、月払いだと年払いの3倍の料金がかかる点が指摘されました。4つ目は「Superwhisper」で、ローカル処理とクラウド処理を選択でき、月額課金だけでなく250ドルの買い切りプランがある珍しいツールとして紹介され、アップルシリコンに最適化されている点も評価されました。

音声入力を活用する上での周辺ガジェットについても語られ、しぶちょーが2年間使い続けている骨伝導型のオープンイヤーイヤホン「Shokz OpenComm2」は、耳をふさがず装着したままにできるうえマイクが口元近くにあるため、ボソボソと小声で話しても正確に拾ってくれるとオンライン会議用としても音声入力用としても評価されました。また、比較的安価なDJIの「マイクミニ2」も紹介され、音質はポッドキャスト収録用には物足りないものの、レシーバー付きで7000円ほどと手頃な価格のため、手軽に音声入力用マイクとして使える点がメリットとして語られています。

番組後半では、「話す速度はタイピングの2倍速い」という定説の妥当性が検証されました。人が話す速度は1分間約300文字、タイピングは150〜200文字とされますが、この差は単純な書き写しタスクに限った話であり、内容を考えながら話す場合は発話そのものが脳のワーキングメモリーを消費するため、かえって文章構成には向かないとしぶちょーは指摘します。実際に長い文章のアイデア出しや構成を考える作業では、書いた方がアウトプットしやすいという体験も共有されました。

一方で、Claude CodeなどAIエージェントへの指示出しのように、その場で思いついたことをそのまま口頭で伝えるタスクとは音声入力の相性が非常に良いと語られ、バイブコーディングの現場で音声入力が重宝されている理由が腑に落ちたと二人は納得していました。かねりんが取り組んでいる本の執筆のような長文構成には音声入力が向かない可能性がある一方、最初のアウトライン作りには手書きも有効だという結論で締めくくられています。最後に、紹介した4つのツールはAmical以外もすべて無料で試せる範囲が用意されているため、まずは自分の作業内容に合わせていくつか使い比べてみることが勧められました。

目次(タイムスタンプ)

  • 00:00 オープニングトーク「試してみたい音声入力」
  • 02:45 かねりんの執筆事情とiPhone純正メモの限界
  • 08:12 音声入力ソフトは「入力」+「LLMでの整形」に進化
  • 14:30 おすすめソフト1:完全無料でローカル動作「Amical」
  • 21:05 おすすめソフト2:爆速クラウド処理の大定番「AquaVoice」
  • 28:40 おすすめソフト3:スマホ対応が優秀な「Typeless」
  • 35:15 おすすめソフト4:買い切り可能でMacに最適「Super Whisper」
  • 42:50 音声入力におすすめのガジェット:ShokzとDJI
  • 49:10 音声入力の罠:実は「喋る」ほうが脳のリソースを使う?
  • 54:35 AIへのハラスメント注意!言葉遣いとVibe Coding
  • 58:20 エンディング
  • 1:00:15 オフエアートーク:引っ越しと収録の裏話

今回の要チェックキーワード

AquaVoice(アクアボイス)
喋り終わってから文字が出るまでの速度(レイテンシ)が最速級で、現在最も評価が高いクラウド型の音声入力ツール。
Amical(アミカル)
完全にローカル環境で動作し、機密案件の処理にも適したMITライセンスの完全無料・オープンソース音声入力ツール。
Superwhisper(スーパーウィスパー)
話した内容を「AI向けの最適な指示文」に自動変換するカスタムプロンプト機能が優秀で、開発者に人気の音声入力ツール。
Typeless(タイプレス)
スマホ(iOS/Android)での体験が突出して良く、プライバシー設計やAIによるトーン自動調整に強みを持つ最新世代の音声入力ツール。
Whisper(ウィスパー)
OpenAIが開発した、人間が話した音声を非常に高い精度でテキストに変換できる高性能な音声認識モデル。
レイテンシ(Latency)
マイクに向かって話し終わってから、実際に画面に文字が生成・入力されるまでの「遅延時間」のこと。
フィラー除去(Filler Removal)
「えーっと」や「あー」といった、発話時の意味を持たない繋ぎの言葉をAIが自動で認識して削ってくれる機能。 —----------------------------

この回でわかること(Q&A)

最近の音声入力ソフトは昔の音声入力と何が違う?

以前は聞き取った音をそのまま文字にするだけでしたが、現在の音声入力ソフトは裏でLLMを動かし、フィラーや言い間違いを取り除いたり、同音異義語を文脈から判断して正しい表記に変換してくれる点が大きく異なります。

音声入力ソフトのAmicalとアクアボイスの違いは?

Amicalはオープンソースで無料、ローカルで動作するためセキュリティ面で安心な一方、パソコンにそれなりのスペックを要求します。アクアボイスはクラウド処理で日本語精度とレイテンシーの速さに定評がある定番ツールですが、月額課金制でクラウド処理特有の情報漏洩リスクがある点が異なります。

音声入力用のガジェットとしておすすめは?

しぶちょーが2年間使っている骨伝導型のオープンイヤーイヤホン「Shokz OpenComm2」は、耳をふさがずマイクが口元近くにあるため小声でも正確に拾ってくれると紹介されました。より安価な選択肢としてDJIの「マイクミニ2」も挙げられています。

話す速度はタイピングより本当に2倍速い?

単純な書き写しタスクに限れば話す方が速いとされますが、内容を考えながら話す場合は発話自体が脳のワーキングメモリーを消費するため、かえって文章構成には向かないと説明されました。長文のアイデア出しなどは書いた方が向いている場合もあるとされています。

音声入力はどんな作業に向いている?

Claude CodeなどAIエージェントへの指示出しのように、その場で思いついたことをそのまま口頭で伝えるタスクと相性が良いとされました。逆に本の執筆やブログ構成のような長文を考えながら作る作業には、あまり向かない可能性があると語られています。

関連リンク

この回を聴く

「おちつきAIラジオ」は、日々のAIトピックを現役のAIエンジニア(しぶちょー)と元刑事のポッドキャストプロデューサー(かねりん)がやさしく解説する対談番組です。