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画像生成Stable Diffusionの衰退と復活劇?ハリウッド大物監督の就任とB2Bへの転身(ep.65)

おちつきAIラジオ 第65回(EP.065)/配信日: 2026.05.01/再生時間: 01:04:22

この回の概要

今回は新シリーズ「AIあの人は今」の第1弾として、画像生成AIの元祖ともいえるStable Diffusionを深掘りしています。この回を聴くと、最近名前を聞かなくなったStable Diffusionが衰退したわけではなく、B2Bのエンタープライズ基盤へとビジネスモデルを転換したことでB2C向けの表舞台から退いたという経緯と、今でもローカル画像生成に価値がある理由がわかります。

Stable Diffusionは2022年8月、ChatGPT登場の約3か月前に公開されたテキストから画像を生成するAIで、AI画像生成ブームの火付け役でした。当時のプロンプトは単語をコンマで区切り、括弧で強調する「呪文」と呼ばれる独特の書き方が主流で、有志のユーザーコミュニティが試行錯誤を重ねてノウハウを蓄積していったことが紹介されました。オープンソースで無料、自分のPCやGoogleコラボラトリーのGPUで動かせて自由にカスタマイズできる点が革新的で、同時期に流行したディスコード上で動くMidjourneyとは異なり手元で改造し放題だったことが強みでした。特定のキャラクターだけを生成できるよう追加学習させるLoRAという技術も広く使われ、こうしたプロンプトの工夫や追加学習の技術はアダルト用途の表現を追求する有志の研究によって大きく発展したという裏話も語られ、2022年から2023年にかけて爆発的に普及しました。

2024年以降に名前を聞かなくなった理由は主に3つ挙げられました。1つ目はChatGPTがDALL・E3を統合し、チャット欄に指示するだけで画像が作れるようになったこと。2つ目は運営元スタビリティAIが月800万ドル規模の支出を続け経営危機に陥ったこと。3つ目は、拡散モデルの論文を書いた中心メンバー全員がスタビリティAIを離れ、ドイツでブラックフォレストラボを設立し、新たにFLUXという画像生成モデルを立ち上げたことです。FLUXは現在、ローカルで使う画像生成モデルとして最も注目されており、特に実写表現に強いとされています。

その後スタビリティAIには映像制作業界出身のプレム・アッカラジュ氏がCEOに、映画監督のジェームズ・キャメロン氏が取締役に就任し、会社は個人向けの無料ツールから、ハリウッドや広告、ゲーム、音楽業界向けにライセンス提供するB2Bのメディア・エンターテインメント基盤へと大きくピボットしました。つまり一般ユーザーがStable Diffusionの名前を聞かなくなったのは、開発元がもはや一般ユーザーを収益源として見ていないためだと説明されています。

一方でStable Diffusionは今でも根強いエコシステムを持っています。ノードをつないで細かく調整できるツール「ComfyUI」や、既に多くの有志が公開しているLoRAモデルを使えば、特にアニメ調の画風で高い自由度のカスタマイズが可能です。しぶちょーは、ChatGPTやGeminiのナノバナナプロで誰でも80点から90点の画像が簡単に作れるようになった今、あえてローカルで画像生成をする意味は、同じプロンプトで必ず同じ画像を再現できるシード値の固定など、ガチャ要素を排して100点を目指す作り込みにあると説明しました。

かねりんは実際にStable Diffusion環境を構築して試したものの、思い通りの画像を作るのに苦戦したという体験を共有し、より手軽にアニメ調のキャラクター画像を生成できるウェブサービス「PixAI」の存在も紹介しました。しぶちょーからは、ビデオポッドキャストの収録でゲストの顔がうまく撮れなかった際、生成AIで顔を再構築しリップシンクさせる処理をClaude Codeの環境構築サポートを受けながらローカルのデスクトップPCで約20時間かけて行った実体験も語られました。途中で動画の一部が破損して止まってしまい、Claude Codeがダイジェスト版を作って済ませようとしたことに強く指摘を入れたところ、最近ではAIに対して強い言葉を使うと出力の性能が下がる可能性があるという話題も飛び出し、AIとのやり取りでも丁寧な言葉遣いを心がけた方がよさそうだという教訓が共有されました。

結論として、Stable Diffusionは表舞台から消えたのではなく、映像制作の裏側を支えるインフラとして生き続けているというのがこの回の学びです。個人でローカル画像生成を試したい人には、後継的な存在であるFLUXモデルを使ってみることが勧められています。

目次(タイムスタンプ)

  • 00:00 オープニング〜新シリーズ「AIあの人は今」始動
  • 02:25 今回の主役は画像生成の初代王「Stable Diffusion」
  • 06:32 2022年の衝撃!テキストから画像を作る「呪文」の時代
  • 12:49 無料・ローカル・改造し放題!当時の革新性を振り返る
  • 17:02 なぜ名前を聞かなくなった?ChatGPT統合による影響
  • 20:19 経営危機と頭脳流出…強力なライバル「FLUX」の誕生
  • 27:59 ハリウッド大物が取締役に?B2B映像制作への華麗なる転身
  • 35:48 未だ根強いエコシステム!「ComfyUI」と「LoRA」の力
  • 44:34 80点を100点にするローカル画像生成の魅力とWebサービス
  • 58:09 告知:ポッドキャストウィークエンドとミキサー出展のお知らせ

今回の要チェックキーワード

Stable Diffusion
2022年に公開されAI画像生成ブームの火付け役となった、無料で自分のPCでも動かせるオープンソースの画像生成AI。
FLUX
Stable Diffusionの初期開発メンバーが独立して作り上げた、プロンプトへの忠実性や文字の描画に優れる次世代の画像生成AI。
LoRA(Low-Rank Adaptation)
特定のキャラクターや画風などを、少ないデータと計算量でベースのAIに後から追加学習させる技術。
ComfyUI(コンフィUI)
処理のブロック(ノード)を繋ぎ合わせて自分だけの画像生成工程を構築できる、現在プロ層で主流となっている操作画面。
ローカル画像生成
ChatGPTのようなクラウドサービスに依存せず、自身のパソコンの計算能力(GPU)を使って自分の手元で画像を生成する仕組み。 —----------------------------

この回でわかること(Q&A)

Stable Diffusionはなぜ最近名前を聞かなくなったのですか?

ChatGPTがDALL・E3を統合してチャットから手軽に画像生成できるようになったこと、運営元スタビリティAIが経営危機に陥ったこと、開発の中心メンバーが離脱して新会社ブラックフォレストラボでFLUXという新モデルを作ったことの3つが理由として挙げられています。

Stable Diffusionは今どうなっているのですか?

個人向けの無料ツールから、映画監督ジェームズ・キャメロン氏らが加わった新体制のもとでハリウッドや広告、ゲーム、音楽業界向けにライセンス提供するB2Bのメディア・エンターテインメント基盤へとビジネスモデルを転換しています。

FLUXとStable Diffusionの違いは何ですか?

FLUXはStable Diffusionを開発していた拡散モデルの研究者たちが独立して設立したブラックフォレストラボが作った新しい画像生成モデルで、現在ローカルで使う画像生成モデルとして最も注目されており、特に実写表現に強いとされています。Stable Diffusionは今でもアニメ調の画風とカスタマイズの自由度で強みがあります。

ChatGPTやGeminiで画像が作れるのに、なぜローカルで画像生成をする意味があるのですか?

ChatGPTやGeminiのナノバナナプロは誰でも簡単に80点から90点程度の画像を作れますが、同じプロンプトで必ず同じ画像を再現できるシード値の固定など、ガチャ要素を排して100点の完成度を細かく作り込みたい場合にはローカルでの画像生成が向いているとされています。

LoRAやComfyUIとは何ですか?

LoRAは大きなモデルの一部だけを追加学習させて特定のキャラクターなどを固定して生成できるようにする技術です。ComfyUIはノードをつなぐことで画像生成の処理を細かく調整できるツールで、いずれもStable Diffusionを中心に発展したエコシステムの代表例として紹介されました。

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「おちつきAIラジオ」は、日々のAIトピックを現役のAIエンジニア(しぶちょー)と元刑事のポッドキャストプロデューサー(かねりん)がやさしく解説する対談番組です。