エピソード一覧

[3月3日:速報回]Google Antigravityで作った「ギガファイル便永久保存スクリプト」が大炎上。非エンジニアでもプログラミングできる時代の「技術者倫理」とは?(ep.48)

おちつきAIラジオ 第48回(EP.048)/配信日: 2026.03.03/再生時間: 01:08:59

この回の概要

この回は2026年3月2日深夜収録の速報回で、Googleのナノバナナ2公開、Claude Codeのスマホ遠隔操作機能、Claudeコーワークの大型アップデート、中国AI企業3社によるAnthropicへの蒸留攻撃、GoogleアンチグラビティとギガファイルWEB便を使った永久保存スクリプトの炎上という5つのトピックを扱っています。この回を聴くと、無料ユーザーにも広がる高性能AI画像生成の現状と、Claude関連ツールの急速な拡張、そして技術が誰でも使えるようになったことで生じる倫理面の課題がわかります。

まずGoogleの画像生成モデル「ナノバナナ2」について、しぶちょーは最上位モデルのナノバナナプロがパワーアップしたものではなく、無料ユーザーでも使える下位モデルとして登場したものだと説明しました。生成速度と指示への追従精度、文字のレンダリング精度が上がっており、Google検索のAIモードなど幅広い場所から使えるようになった点を評価しています。一方でかねりんは、キャラクターを指定した画像生成では最近ChatGPTの方が良い結果が出ると感じており、Gemini系の画像生成にはまだ物足りなさがあると率直な感想を述べていました。あわせてかねりんが自宅のGPUでStable Diffusionの環境を再構築し、大量のキャラクター画像を生成する用途を試している近況も共有されています。

続いて、Claude Codeをスマートフォンから遠隔操作できるリモートコントロール機能が公開されたニュースを取り上げました。これまで自分のパソコン上でしか動かせなかったClaude Codeに、URLやQRコードを使ってスマホから指示を出したり承認したりできるようになったといいます。しぶちょーは、こうした機能拡張がAIエージェントを常に稼働させ続けようとする動きにつながっており、便利な反面、AIによって逆に人間が忙しくなっているという体感を語りました。あわせて、タスクに与えられた時間をすべて使い切ってしまうという理論になぞらえ、AIが使える時間が増えるほど仕事量も膨らんでいく傾向があるとも指摘しています。

次にClaudeコーワークのアップデートを紹介しました。もともとMacのみでMaxプランでしか使えなかったこのツールがWindowsにも対応してProプランでも使えるようになり、Googleカレンダーやドライブとの連携、ExcelやPowerPointの直接操作にも対応しました。プログラミング知識がなくても日本語の指示だけでローカルのタスクを遂行できる点が特徴で、Claude Codeと近い機能を持ちながらも、より一般的なチャットに近い使い勝手を志向したツールだと位置づけられています。

続いて、AnthropicがDeepSeek、Moonshot、MiniMaxという中国のAI企業3社による大規模な蒸留攻撃を報告したニュースを解説しました。これは高度なAIモデルの出力や推論プロセスを大量に取得し、自社モデルの学習に転用する行為で、規約違反にあたります。報告によれば、約24000の不正アカウントを通じて1600万回にのぼるやり取りが行われ、推論能力の抽出が図られたとされています。しぶちょーは、こうした行為が中国のAI開発において繰り返し見られる傾向であり、結果として低コストで高性能なAPIが手に入る現状にもつながっていると解説しました。

最後に、Googleの開発環境「アンチグラビティ」を使って作られた、ギガファイル便に永久保存できるスクリプトが炎上した件を取り上げました。ファイルの保存期限が切れる前に自動でダウンロードと再アップロードを繰り返すことで無期限のクラウドストレージのように使う仕組みで、開発者本人が便利さをアピールする形で発信したことが批判を招いたといいます。しぶちょーはこれを、技術が誰でも使えるように民主化される一方で、技術者倫理を学ばないまま強力なツールを使えてしまう危うさの一例として紹介し、作れることと作っていいことの違いを理解する重要性を強調しました。

この件をきっかけに、二人は技術者倫理について掘り下げました。しぶちょーは国家資格の技術士として倫理を重視する立場から、3Dプリンターで食器を自作して販売してしまうケースなど、作れても法令上やってはいけない行為の具体例を挙げ、失敗事例から学ぶ入門書の必要性を語っています。かねりんは、こうした倫理観が技術の使い方を判断する上で欠かせない一方、革新的なイノベーションを起こす人物には既存の倫理からはみ出す面もあるのではという視点も投げかけ、互いに足りない部分を補い合う関係性についても触れて締めくくりました。

目次(タイムスタンプ)

  • 00:00 オープニング:今週のAIニュース速報
  • 00:57 無料でも高機能!Google Nano Banana 2公開
  • 05:21 ChatGPTとGeminiの画像生成の違い
  • 08:47 かねりんがStable Diffusionを再構築
  • 13:13 Claude Codeをスマホから遠隔操作
  • 17:31 AIを働かせて人間が休めない現代のジレンマ
  • 21:27 しぶちょーがClaudeを猛プッシュする理由
  • 24:54 Claude CoworkでExcelやパワポもAI操作
  • 28:43 AI失業論?便利なツールが出ると仕事は増える
  • 32:01 中国AI企業による大規模な蒸留攻撃の実態
  • 36:16 知識蒸留とは?賢いAIから能力を抽出する手口
  • 39:35 ギガファイル便の永久保存スクリプトが炎上
  • 46:42 技術の民主化の罠:エンジニアと非エンジニアの違い
  • 50:09 Webスクレイピングで逮捕?規約違反ツールの恐怖
  • 53:32 3Dプリンターで食器を作ってはいけない理由
  • 57:52 テクノロジーの進化と技術者倫理の重要性
  • 60:32 動画配信の裏側とおちつきAIの今後の展望
  • 62:09 エンディングトーク

この回でわかること(Q&A)

Googleのナノバナナ2とは何ですか?

最上位モデルのナノバナナプロがパワーアップしたものではなく、無料ユーザーでも使える下位の画像生成モデルとして登場したものです。生成速度と指示への追従精度、文字のレンダリング精度が上がっており、Google検索のAIモードなど幅広い場所から利用できるようになりました。

Claude Codeのリモートコントロール機能でできることは?

これまで自分のパソコン上でしか動かせなかったClaude Codeに対して、URLやQRコードを使ってスマートフォンから指示を出したり、承認を求められた操作を承認したりできるようになった機能です。Proプランおよび Maxプランで利用できるとされています。

Claudeコーワークとは何ですか、Claude Codeとの違いは?

ローカルのファイル操作やGoogleカレンダー、ドライブとの連携、Excel・PowerPointの直接操作ができるツールで、Windows対応やProプランでの利用が新たに可能になりました。Claude Codeと似た機能を持ちますが、黒い画面を使わずチャットに近いUIでタスクを遂行させる点に特化しています。

中国AI企業による蒸留攻撃とはどういう行為ですか?

DeepSeek、Moonshot、MiniMaxという中国のAI企業3社が、Claudeのような高度なAIモデルの出力や推論プロセスを大量に取得し、自社モデルの学習に転用したとAnthropicが報告した行為です。約24000の不正アカウントを通じて1600万回にのぼるやり取りが行われ、規約違反とされています。

ギガファイル便の永久保存スクリプトはなぜ炎上したのですか?

Googleの開発環境アンチグラビティで作られたこのスクリプトは、ファイルの保存期限が切れる前に自動でダウンロードと再アップロードを繰り返し、無期限のクラウドストレージのように使う仕組みでした。開発者が便利さをアピールする形で発信したことで、規約違反やサーバー負荷への配慮不足が批判され炎上しました。

この回を聴く

「おちつきAIラジオ」は、日々のAIトピックを現役のAIエンジニア(しぶちょー)と元刑事のポッドキャストプロデューサー(かねりん)がやさしく解説する対談番組です。