[2月17日:速報回]SeedanceのIP無視にディズニー激怒/OpenAIが話題の開発者を引き抜き/「漫画家終了」の嘘と人工生命ゲームAnLife(ep.44)
おちつきAIラジオ 第44回(EP.044)/配信日: 2026.02.17/再生時間: 01:06:00
この回の概要
第44回は速報回で、バイトダンスの動画生成AI「Seedance 2.0」とディズニーの著作権問題、オープンクロー開発者のオープンAI移籍、Googleの推論特化モデル「ディープシンク」の強化、漫画生成AI「アニメフュージョン」をめぐる煽りニュース、人工生命シミュレーションゲーム「アンライフ」という5つのトピックを扱っています。この回を聴くと、生成AIの著作権をめぐる国際的な摩擦や、SNS上の誇張された「驚き屋」的な情報にどう向き合うべきかがわかります。
最初に取り上げたのは、TikTokを運営するバイトダンスの動画生成AI「Seedance 2.0」です。しぶちょーは、既存の画像生成AI「Seedream」の動画版にあたり、ドラゴンボールやドラえもんなど日本のアニメキャラクターを高いクオリティで再現できる一方、著作権を無視した使われ方がSNS上で拡散し、ディズニーがスパイダーマンなどのキャラクターの無断使用を理由に差し止め通知を送ったことを紹介しました。日本や中国での訴訟や権利回収の実効性が低いのではないかという懸念や、公式かフェイクか見分けがつかなくなるSNS上の情報の信頼性の問題にも話が及び、今後は個人や発信者そのものへの信頼が情報の価値を左右するようになるのではという考えが語られています。あわせて、世論操作を目的とした情報戦がAI以前から存在していたという話題にも触れ、AI時代においてもその構造自体は変わらないという見方が示されました。かねりんは、こうした無断使用によって作られたコンテンツがSNSで拡散されバズる一方で、元のIPを持つ日本のクリエイターには金銭的な旨味がほとんど回ってこない構図に強い違和感を示し、しぶちょーも国境をまたいだ権利侵害に対して実効性のある対抗策を取りづらい現状を認めていました。
次に、AIエージェントツール「オープンクロー」の開発者ピーター・スタインバーガー氏がオープンAIに参加したというニュースを取り上げました。オープンクローは今後もオープンソースプロジェクトとしてオープンAIの支援を受けながら継続され、スタインバーガー氏は大企業を作ることよりも自分の作ったプロダクトを世界に届けることを重視してこの提携を選んだと説明しています。しぶちょーは、こうした有力な開発者を素早く自陣に引き入れるサム・アルトマン氏の手腕に注目していると述べました。オープンクローの中ではClaude Codeがグレーな運用のされ方をしているとも言われており、Anthropicと距離を置くような今回の動きは今後のAIエージェント業界の勢力図にも影響しそうだという見通しも語られています。
続いて、Googleの推論特化モデル「ディープシンク」の大幅なアップグレードが紹介されました。手書きのスケッチから色情報を含む3Dプリンター用データまで直接生成できる機能が加わったとされていますが、この機能は現時点で高額な上位プランの利用者に限定されており、しぶちょーもまだ試せていないため実力は未知数だと話しています。3Dモデル生成の分野ではすでに中国系のサービスも進んでおり、色情報をスライサーソフトに直接送れる利便性が最近のトレンドになっていることも解説されました。しぶちょーは、これまで生成した3DモデルをSTL形式で書き出すと色情報が失われてしまい、スライサーソフト側で塗り直す手間がかかっていたことを踏まえ、色付きのまま一括で送れるパイプラインが整ってきたことは実務上とても便利だと自身の3Dプリンター活用経験を交えて説明しています。
その後、漫画生成AI「アニメフュージョン」をめぐる「漫画家終了」といった煽り気味の見出しについて取り上げ、実際には2024年頃から存在するツールであり、内部では他の画像生成AIを利用したラッパーにすぎないと説明しました。しぶちょーは、こうした古くからあるサービスがあたかも新登場のように誇張されて拡散される「驚き屋」的な情報の典型例だと指摘し、コマ割りや読ませ方といった漫画表現の専門性はAIだけでは代替しきれないという見方を示しています。
最後に紹介したのは、自己学習するモーションで動く仮想生物を育てる人工生命シミュレーションゲーム「アンライフ」です。餌を与えたり回復させたりしながら仮想生命が進化していく様子を観察できるゲームで、しぶちょーは癒し要素の強いコンテンツとして紹介し、殺伐としたAIニュースの合間に息抜きとして楽しめる一本だと締めくくりました。
目次(タイムスタンプ)
- 00:00 喉の不調と90分コースの予感?
- 01:18 Seedance 2.0がIP無視で大暴れ
- 06:54 日本のコンテンツはAIの「やられ損」か
- 12:13 全てがフェイクになる時代の信用とは
- 21:53 お騒がせ開発者がOpenAIへ電撃移籍
- 29:39 Googleの推論モデルと3D生成の未来
- 41:25 「漫画家終了」の煽りに騙されるな
- 47:45 人工生命を観察するゲーム「AnLife」
- 49:55 しぶちょーのPCが勝手に前進する怪奇
- 62:20 エンディングと次週への持ち越し
この回でわかること(Q&A)
Seedance 2.0とは何ですか?
TikTokを運営するバイトダンスが開発した動画生成AIで、既存の画像生成AI「Seedream」の動画版にあたります。ドラゴンボールなど日本のアニメキャラクターを高いクオリティで再現できる一方、著作権を無視した使われ方が問題視され、ディズニーが差し止め通知を送る事態になっています。
オープンクローの開発者がオープンAIに移籍した理由は何ですか?
開発者のピーター・スタインバーガー氏は、大企業を作ることよりも自分が作ったプロダクトを世界に素早く届けることを重視し、オープンAIのビジョンとオープンクローの目指す方向性が一致すると判断して提携を選んだと説明しています。
GoogleのディープシンクはこれまでのGeminiと何が違うのですか?
推論特化モードのメジャーアップグレードで、手書きのスケッチから色情報を含む3Dプリンター用データまで直接生成できる機能が追加されました。ただし現時点ではGoogle AIの高額な上位プランの利用者に限定されています。
アニメフュージョンで漫画家の仕事はなくなるのですか?
しぶちょーは、アニメフュージョンは2024年頃から存在するツールで他の画像生成AIを利用したラッパーにすぎず、コマ割りや読ませ方といった漫画表現の専門性はAIだけでは代替しきれないと説明し、漫画家が終了するという見出しは誇張された煽りだと指摘しています。
アンライフとはどんなゲームですか?
自己学習するモーションで動く仮想生物に餌を与えたり回復させたりしながら、その進化を見守る人工生命シミュレーションゲームです。かつて宮崎駿監督が批判したAI生成の不気味な動きを元にした技術が背景にあり、癒し要素の強いコンテンツとして紹介されています。
この回を聴く
「おちつきAIラジオ」は、日々のAIトピックを現役のAIエンジニア(しぶちょー)と元刑事のポッドキャストプロデューサー(かねりん)がやさしく解説する対談番組です。