Manus(マナス)徹底解剖!!ChatGPTやGeminiとの違いはタスク完遂能力(ep.34)
おちつきAIラジオ 第34回(EP.034)/配信日: 2026.01.16/再生時間: 00:54:41
この回の概要
今回は「結局Manusって何がすごいの」というテーマで、しぶちょーが年額課金してしまったAIエージェントサービスManusを徹底解説する回です。ManusはChatGPTやGeminiのようなLLMそのものではなく、指示を受けると自律的に計画を立ててタスクを実行し、成果物まで作り上げる自律型AIエージェントであることが分かります。この回を聴くと、ManusがDeepSeekと並ぶ中国系LLMだという誤解が解け、ChatGPTのエージェントモードとの違いや、料金体系、技術的な仕組み、そしてAIエージェント時代に人間がどう向き合うべきかが理解できます。
まずManusは「自律型AIエージェント」であり、ユーザーからこれをしてほしいという目的を受け取ると、あとは自分でツールを選びながら自律的に行動してゴールにたどり着く点が特徴だと説明されます。ChatGPTやGeminiが基本的にユーザーとの壁打ちに近いのに対し、Manusはタスクの実行そのものに特化しているという違いがあります。ウェブアプリやスマホアプリをプロンプト一つで作成し、そのままデプロイして公開できること、画像や動画、プレゼン資料などのクリエイティブ制作もこなせることが紹介されます。特に「ワイドリサーチ」という機能は、複数の小さなエージェントを横に並列で走らせて短時間で大規模な情報収集を行うもので、ChatGPTのディープリサーチのような単体調査型とは異なる強みとして紹介され、しぶちょーはAI関連の選書を依頼した際に他のAIでは扱えない冊数まで一気に調べ上げてくれたと語っています。
料金面では、Manusはプロプランのみでクレジット制を採用しており、月8000クレジットのプランから、月4000ドル相当の120万クレジットという高額プランまで幅広く用意されていることが語られます。1.6のアップデートでMax・標準・Liteのモードが選べるようになり、Liteはクレジット消費を抑えて簡単なタスクをこなせることも紹介されます。しぶちょーは自身の利用実績として、ツール開発で一度に9000クレジットを消費した経験や、日次の自動ニュース収集タスクで1回300クレジット程度を消費している実例を語り、かねりんも文字起こし用途で体験版を契約し、無料クレジットを使い切ってしまった経験を明かしています。また、月ごとに付与されるクレジットとは別に日次でも少量のクレジットが付与され、これは繰り越して蓄積できる仕組みであることも説明されました。
Manusの歴史については、2025年3月にリリースされたばかりで1年も経っていないこと、開発元バタフライエフェクトの創業者シャオホン氏が1992年生まれと若いこと、招待コード制の人気により中国発の「第二のDeepSeekショック」と呼ばれたことが紹介されます。その後2025年7月に本社を中国からシンガポールへ移転し、中国企業ではなくなったこと、そして最終的にMetaに買収された経緯についても、米中対立の中で中国籍のままでは買収が難しかったためではないかという見方も交えて語られます。
技術的な仕組みとしては、Manusは基盤モデル自体は開発しておらず、単なる「ラッパー」だと批判されることもあるものの、実際にはプランナー・実行エージェント・検証エージェントという三段構成のアーキテクチャを独自に設計し、タスクが終わらなくなる「死のループ」や、ログイン認証で自律行動が止まってしまう「認証の壁」といった課題に対処する工夫が施されていることが解説されます。
後半では、AIエージェントが同時並行で複数動かせるようになったことで、逆に人間が指示出しに追われて自由な時間を奪われてしまうという逆説的な悩みが語られます。しぶちょーは、暇な時間があるとエージェントに何か指示を出さないともったいないと感じてしまう自身の状況を、かねりんは寄生虫が宿主を操るような状態だと表現し、二人でAIエージェント時代における人間の役割について語り合いました。しぶちょーは、以前の機械設計の仕事で外注先に作業を振り分けるだけの管理業務に嫌気が差した経験を振り返りながら、効率化を追求しすぎると同じ状態に戻ってしまい本末転倒になると指摘し、足るを知るという考え方の大切さを強調しました。あわせて、あるバイブコーディング系AIサービスの宣伝案件を受けた際、案件終了後も気づかないまま毎月40ドルほど課金され続けていたという注意喚起のエピソードも紹介され、AI系サービスの案件を受ける際は登録内容や解約状況をこまめに確認する必要があると締めくくられました。
目次(タイムスタンプ)
- 00:00 オープニング:話題のAI「Manus」を知っていますか?
- 01:37 驚き屋に惑わされないための「Manus」基本概論
- 05:30 チャットAIとはここが違う!「タスク実行」への特化
- 09:15 アプリ開発から公開まで。驚異のアウトプット能力
- 10:02 お財布は火の車?シビアなクレジット消費の実態
- 14:54 DeepではなくWide。並列調査「Wide Research」の凄み
- 20:49 中国発からシンガポールへ。Meta買収と企業戦略の裏側
- 28:42 ただのラッパーではない。3層エージェントの技術的工夫
- 38:36 AIエージェントに時間を奪われる?効率化のパラドックス
- 49:50 エンディング:「足るを知る」精神でAIと付き合おう
今回の要チェックキーワード
- Manus(マナス)
- 自律的にタスクを計画・実行することを目的としたAIエージェント型サービス。チャットUIを通じて指示を受け、複数の処理を組み合わせて成果物を生成する。
- AIエージェント(AI Agent)
- ユーザーの目的を受け取り、必要な手順を自ら設計し、ツールを使って実行するAIの仕組み。単なる質問応答ではなく「タスク完遂」を主眼に置く。
- 自律型タスク実行(Autonomous Task Execution)
- 人間の逐次的な指示なしに、計画・実行・検証を繰り返しながらゴールに到達する能力。AIエージェントの中核的特徴。
- 基盤モデル(Foundation Model)
- 大量のデータで事前学習され、さまざまな用途に転用可能な大規模AIモデル。多くのAIサービスは外部の基盤モデルを組み合わせて構築されている。
- ラッパー(Wrapper)
- 既存のAIモデルやAPIを内部で利用し、それらを使いやすい形で提供するアプリケーションやサービス。独自性はUIや制御ロジックにある。
- 非同期・並列処理(Asynchronous / Parallel Execution)
- 複数の処理を同時に進める実行方式。大規模リサーチや複雑なタスクを短時間で完了させるために用いられる。
- 死のループ(Death Loop)
- AIエージェントが同じ失敗や無意味な行動を繰り返し、タスクが完了しなくなる状態。自律性が高いシステム特有の課題。 —----------------------------
この回でわかること(Q&A)
ManusはChatGPTのようなLLMなのですか?
いいえ、ManusはLLMそのものではなく、自律型のAIエージェントサービスです。内部ではバイトダンスのQwenやClaudeなどのモデルが使われていますが、指示を受けて計画を立て、タスクを実行して成果物を出すことに特化している点が異なります。
ManusとChatGPTのエージェントモードの違いは何ですか?
ChatGPTやGeminiは基本的にユーザーとの壁打ちに近い形で回答を返すのに対し、Manusはウェブアプリやスマホアプリの作成、デプロイまでの成果物作成に特化しています。並列でリサーチを行うワイドリサーチ機能なども特徴です。
Manusはどこの国の会社が作っていますか?
開発元のバタフライエフェクトはもともと中国発ですが、2025年7月に本社を中国からシンガポールへ移転し、中国のオフィスも閉鎖しているため、現在は中国企業ではなくシンガポールの企業になっています。その後Metaに買収されました。
Manusはただの他社AIのラッパーなのですか?
そう言われることもありますが、実際にはプランナー・実行エージェント・検証エージェントという三段構成のアーキテクチャを独自に設計し、タスクが終わらない死のループや認証の壁といった課題に対応する仕組みを作り込んでいます。
Manusの料金体系はどうなっていますか?
プロプランのみでクレジット制を採用しており、月8000クレジットの標準プランから、月4000ドル相当の120万クレジットの高額プランまで選べます。1.6のアップデートでMax・標準・Liteのモードも選択できるようになりました。
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「おちつきAIラジオ」は、日々のAIトピックを現役のAIエンジニア(しぶちょー)と元刑事のポッドキャストプロデューサー(かねりん)がやさしく解説する対談番組です。