エピソード一覧

おすすめのAI書籍5選!2026年を人間として生きるために読むべき本。(ep.28)

おちつきAIラジオ 第28回(EP.028)/配信日: 2025.12.26/再生時間: 01:00:44

この回の概要

今回は「もうすぐ冬休みだからAIの本を読もう」をテーマに、しぶちょーが厳選したAI関連本を読んでほしい順に5冊紹介する回です。この回を聴くと、AIエンジニア以外の人でも読めるものから本格的な専門書まで、冬休みに読むべきAI関連本の全体像と、それぞれの本から得られる学びがわかります。

1冊目は「サムアルトマン 生成AIで世界を手にした起業家の野望」。今年10月に出版された伝記で、しぶちょーは400ページ超を読了に約8時間かけたと語ります。サム・アルトマンのスタンフォード中退、最初の起業である位置情報アプリ「Loopt」の失敗、Yコンビネーターでの活躍、OpenAIの前身となる非営利組織の設立、そして袂を分かった人たちがAnthropicやxAIを立ち上げていく経緯までが描かれる内容で、この本を読むとサム・アルトマンという人物の輪郭を通してOpenAIの動向が読めるようになるとしぶちょーは力説します。イーロン・マスクやスティーブ・ジョブスと違い、争いを好まない「いい人」タイプの起業家であること、超楽観主義でわずかな可能性にも賭けていく姿勢、CEO解任騒動の裏側がはっきりしないまま書かれていることなども語られました。

かねりんはサム・アルトマンという人物像に対して驚きを見せつつ、しぶちょーと共に、シリコンバレーのような起業家が集まるリアルな場所の重要性や、日本にそうした拠点が少ない理由についても話しています。愛知県の「ステーションAI」のように国内でも似た取り組みが始まっていることにも触れられました。

2冊目はフィリップ・K・ディック著「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」。1977年発表で映画「ブレードランナー」の原作となったSF小説です。人間とアンドロイドの境界線をテーマにした作品で、50年近く前に書かれたとは思えないほど今のAI議論を先取りしていると紹介されます。しぶちょーはAI分野で活躍する人にはSF小説から影響を受けた人が多いと指摘し、SF的な未来像を先に描いてからバックキャスティングで現在の行動を決める「SFプロトタイピング」という手法が、ビジネスの現場でも注目されていると解説しました。この流れで、論理的思考や思想を扱える人材として、哲学専攻の学生が近年AI業界で採用されているという話題にも発展しています。

3冊目は大塚アミ著「100日チャレンジ 毎日連続100本アプリを作ったら人生が変わった」。プログラミング未経験の女子大生がChatGPTを使い始め、100日間毎日アプリを作り続けた体験記で、しぶちょーは著者本人の講演を聞いた話も交えつつ紹介します。「生成AIは使い手以上の能力のことはできない」という本中の一節が、しぶちょーの印象に強く残ったフレーズとして挙げられました。

4冊目は「その仕事、AIエージェントがやっておきました」。2023年12月刊行とやや古いものの、自律的に動くAIエージェントの概念や、複数のエージェントが役割分担して動くオーケストレーションの考え方を予習するのに適した一冊として紹介されます。

5冊目はオライリー刊行の「ゼロから作るディープラーニング」。既存のライブラリを使わず、ディープラーニングの仕組みを一から自分の手で実装していく、AIエンジニアの登竜門とされる専門書です。しぶちょー自身は2周したと語り、本気でAIを構築したい人向けの本として紹介しつつ、非エンジニアには難易度が高いことも率直に伝えています。

番組終盤では、かねりんが自身のX投稿を引用しながら、AIに相談すればするほど失敗しない無難な選択肢しか出てこなくなり、イノベーションや奇跡につながる「ハズレ値」を選べなくなってしまうという持論を展開します。AIは確率が高く失敗しにくい選択肢を示してくれる一方で危険な選択肢は提示しないため、AIが出した候補の中から選ぶだけでは、その時点で可能性の幅がすでに絞られてしまっているという指摘です。しぶちょーもこれに同意し、最終的な意思決定を自分自身が下すことの大切さを語りました。クリスマスのデートプランやプレゼント選びをAIに丸投げすることを戒める場面もありました。

最後は「未来を見るのは人間の役目」「来年も人間であることを目指して落ち着いていきましょう」という言葉で締めくくられ、2025年最後の深掘り会となりました。

目次(タイムスタンプ)

  • 00:00 オープニングトーク:今年最後の深掘り回
  • 01:09 今回のテーマ「冬休みだからこそ読みたいAIの本」
  • 03:07 1冊目:サム・アルトマン 自伝的ノンフィクションの魅力
  • 05:11 OpenAIの動向が理解できる?アルトマンの人間性と人脈
  • 12:33 業界の縮図:AnthropicやxAI誕生の裏にある人間模様
  • 16:10 読了まで10時間超え?分厚い本に挑む冬休みの醍醐味
  • 21:11 2冊目:SFの名作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』
  • 25:25 なぜAI開発者はSFに魅了されるのか?思考のバックキャスティング
  • 29:18 哲学専攻がAI界隈で引く手あまた?思想がスキルになる時代
  • 32:18 3冊目:『100日チャレンジ』女子大生がAIで人生を変えた軌跡
  • 35:52 フレーズの真実:生成AIは「使い手以上の能力」は出せない
  • 39:17 4冊目:AIエージェントの概念を予習するための入門書
  • 42:44 5冊目:エンジニアの経典「お魚本」でAIの本質をゼロから学ぶ
  • 47:06 リスナーへの「多読」のすすめとリンク集の活用
  • 49:38 エンディング:2025年を振り返る「想定かねりん」の裏側
  • 51:33 かねりんのポエム:AIは君を伝説にはしてくれない
  • 55:35 来年の抱負「人間であれ」とクリスマスデートへの忠告

今回の要チェックキーワード

サム・アルトマン(Sam Altman)
OpenAIのCEOで、生成AI時代を象徴するキーパーソン。研究・プロダクト・社会実装の三点で影響力が大きく、AIの普及とガバナンスの議論を強く牽引している。
Yコンビネーター(Y Combinator)
世界最大級のスタートアップ支援アクセラレーター。短期間で事業を磨き、投資家やネットワークにつなぐ仕組みで、数多くの有名企業を輩出してきた。
AIエージェント(AI Agent)
目的を与えると、計画→実行→結果の確認までを自律的に回すAIの概念。ツール操作や複数ステップの作業をまとめて任せられる「実務寄りのAI」として注目されている。
フィリップ・K・ディック(Philip K. Dick)
現実と虚構、人間と非人間の境界を描き続けたSF作家。テクノロジーが社会や認知を揺さぶるテーマが多く、AI時代の倫理・哲学の文脈でもしばしば参照される。
大塚あみ(作家)
著書『#100日チャレンジ 毎日連続100本アプリを作ったら人生が変わった』で知られる作家・アプリ開発者。ChatGPTなど生成AIを活用しながら「100日連続で毎日アプリを作って公開する」取り組みを行い、そのプロセスを物語として発信・書籍化した人物。
SFプロトタイピング(SF Prototyping)
SF的な物語で「未来の使われ方」を具体化し、技術・制度・倫理の論点を先に洗い出す手法。新技術の社会実装で起こりうる摩擦を、試作(プロトタイプ)として物語化して検討する。 —----------------------------

この回でわかること(Q&A)

おちつきAIラジオのこの回で紹介されている本は何冊ですか?

全部で5冊紹介されています。「サムアルトマン 生成AIで世界を手にした起業家の野望」「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」「100日チャレンジ 毎日連続100本アプリを作ったら人生が変わった」「その仕事、AIエージェントがやっておきました」「ゼロから作るディープラーニング」です。

サムアルトマンの伝記本はどんな内容ですか?

スタンフォード中退から最初の起業の失敗、Yコンビネーターでの活躍、OpenAI設立、そしてAnthropicやxAIが分かれて生まれていく経緯までを描いた伝記です。しぶちょーは400ページ超で読了に約8時間かかったと語っています。

アンドロイドは電気羊の夢を見るかはどんな話ですか?

1977年発表のフィリップ・K・ディックによるSF小説で、映画「ブレードランナー」の原作です。人間とアンドロイドの境界線をテーマにしており、番組では今のAI議論を先取りしているような内容だと紹介されています。

SFプロトタイピングとは何ですか?

SF的な未来像を先に描き、そこから逆算(バックキャスティング)して現在の行動を決めるという考え方です。番組内では、SF小説家をアイデア出しの場に呼ぶような取り組みもあり、ビジネスの現場でも注目されていると紹介されています。

ゼロから作るディープラーニングはどんな人におすすめの本ですか?

ライブラリを使わずディープラーニングの仕組みを自分の手で一から実装していく、AIエンジニアの登竜門とされる専門書です。本気でAIを構築したい人向けで、非エンジニアには難易度が高いと番組内で率直に語られています。

関連リンク

この回を聴く

「おちつきAIラジオ」は、日々のAIトピックを現役のAIエンジニア(しぶちょー)と元刑事のポッドキャストプロデューサー(かねりん)がやさしく解説する対談番組です。