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Nano Banana超え?Seedream4.0で驚くべきポイントは言語間距離。(ep.6)

おちつきAIラジオ 第6回(EP.006)/配信日: 2025.10.10/再生時間: 00:57:39

この回の概要

今回のエピソードでは、中国のByteDanceが開発した画像生成AI「Seedream 4.0」を取り上げます。GoogleのNano Bananaを超えたと話題になっている理由、実際の性能差、そしてなぜ日本語ユーザーにとって使いやすく感じるのかという技術的な背景までを解説しており、聴くとSeedream 4.0の正体と、画像生成AIの土台になっている拡散モデルの仕組みが理解できます。

Seedreamは、動画SNSのTikTokを運営する中国のByteDanceが提供する画像生成AIです。初代は2023年初頭に登場したものの中国語に特化していたため性能は低く、日本ではほとんど知られていませんでした。2024年の2.0で英語も学習させたバイリンガルモデルとなり、RLHFによる性能改善も進みました。2025年3月の3.0では画像生成とは別に、画像編集AI「SeedEdit」が独立したモデルとして作られています。そして2025年9月の4.0で、この生成機能と編集機能が統合されマルチモーダル化したことが、今回大きな話題になっている理由です。

ベンチマーク上の性能はNano Bananaと同等かそれ以上とされていますが、しぶちょーいわく体感できるほどの劇的な差ではなく、あくまで僅差での競り合いだといいます。それでも「Nano Bananaを超えた」と騒がれているのは、指示した通りに動いてくれる使いやすさが際立っているためです。かねりんは、Seedream 4.0を使えるサービスが公式サイトのほかにも複数の統合プラットフォームに分かれていて、料金体系や無料クレジットの仕組みが分かりにくく、最初は使いにくいと感じたと率直に語っています。実際に、既存の画像に写っている夕日を朝日に変えるという編集を試したところ、狙い通りとは言えないまでも色合いを変えることには成功しており、プロンプトを丁寧に書けば書くほど意図に近い結果が返ってくるという特徴も話題になりました。

その使いやすさの正体としてしぶちょーが挙げたのが、Seedreamが中国語ネイティブのモデルであるという点です。日本語と英語は言語間距離が非常に遠い一方、日本語と中国語は漢字という共通の文字を持つため言語間距離が近く、韓国語に次いで日本語に近い言語とされています。中国語を大量に学習したモデルは漢字が示す意味の解像度が高くなり、その結果として日本語プロンプトへの理解度も高まっているのではないか、というのがSNSなどで語られている考察として紹介されました。実際にSeedream 4.0は漢字の文字生成にも強く、広告用の文字入れなどで威力を発揮する一方、日本語では使われない字体の漢字が出てしまう課題も指摘されています。

番組の後半では、画像生成AIの土台となっている拡散モデル(ディフュージョンモデル)の仕組みも解説されました。学習の過程では、元画像に少しずつノイズを加えて完全なノイズ画像にする「拡散」を行い、そこからノイズを取り除いて元の画像を復元する過程を学習します。このときテキストをベクトルに変換した情報(エンベディング)を一緒に学習させることで、猫と入力すれば猫の画像が復元されるといった条件付きの生成が可能になります。Nano BananaもSeedream 4.0も、この拡散モデルを基盤にしています。番組では画像生成中に表示されるモザイク状の粗い映像が徐々にはっきりしていく現象も、この逆拡散(ノイズ除去)の過程がリアルタイムに進んでいる様子だと説明されました。

さらに2022年に登場したStable Diffusionが、画像のピクセルそのものではなく圧縮した潜在空間でノイズ除去の計算を行う「潜在拡散モデル」という発想を導入したことで計算負荷が大幅に軽くなり、家庭用のGPUでも画像生成AIが動くようになった経緯も紹介されました。

最後には、Seedreamの強みが中国語ネイティブでの学習に由来するのであれば、日本語を母国語として大量に学習した国産の画像生成AIやLLMの必要性も高いのではないかという話に発展しました。日立やNTTなどの企業やNEDOが日本語LLMの開発に取り組んでいるものの、まだ突出した成果は出ていない状況が語られています。また、企業利用の場面では情報セキュリティ上の懸念から中国発のサービスを導入しにくいという課題も指摘されており、個人利用ではDeepSeekのように低コストで試せるサービスが便利だという話も交えつつ、国産AIの発展に期待を寄せる形で回が締めくくられています。

目次(タイムスタンプ)

  • 00:00 オープニング
  • 00:37 今回のテーマ「Nano Bananaを超えた?Seedream4.0」
  • 01:31 AI業界で繰り返される「逆張り驚き」という現象とは?
  • 03:07 AI素人かねりんの正直な感想「使ってみたけどよく分からなかった」
  • 05:43 実はNano Bananaより素直?Seedream4.0が持つ"使いやすさ"の特性
  • 10:35 開発元はTikTok運営会社!Seedream4.0の歴史を振り返る
  • 13:13 中国語ネイティブAIの強みとバージョンアップによる進化の過程
  • 18:55 日本人が使いやすい秘密は「言語間距離」に隠されていた?
  • 21:30 漢字がカギ?日本語と中国語の意外な関係性とAIの言語理解
  • 28:07 日本のAI開発の未来は?国産LLMの現在地と期待
  • 34:03 【AIの仕組み】画像生成AIの魔法の正体「拡散モデル」とは?
  • 39:34 画像を"壊しながら"学習する?拡散モデルの不思議なプロセス
  • 43:35 思い通りの画像を作るカギ「条件付き拡散モデル」を解説
  • 47:08 Stable Diffusionが世界を変えた「潜在拡散モデル」の革新性
  • 51:08 学びのまとめと、知識がもたらす本当の「おちつき」
  • 53:46 エンディング

この回でわかること(Q&A)

Seedream 4.0とは何ですか。

中国のByteDance(TikTok運営元)が開発した画像生成AIで、テキストからの画像生成と画像編集を一体化したマルチモーダルモデルです。2025年9月にリリースされ、Googleの画像生成AI「Nano Banana」を超えたとSNSで話題になっています。

Seedream 4.0はNano Bananaよりベンチマーク上でも圧倒的に高性能なのですか。

番組内では、ベンチマークスコアはNano Bananaと同等かやや上回る程度で、体感できるほどの劇的な性能差ではないと説明されています。話題になっている一番の理由は、指示した通りに動いてくれる使いやすさにあります。

なぜSeedream 4.0は日本語プロンプトの理解度が高いと言われているのですか。

Seedreamは中国語ネイティブとして学習されたモデルで、漢字という共通の文字を持つ日本語とは言語間距離が近いためです。中国語を大量に学習したことで漢字が示す意味の解像度が上がり、結果的に日本語プロンプトへの理解度も高まっていると考察されています。

拡散モデル(ディフュージョンモデル)とはどんな仕組みですか。

元画像に段階的にノイズを加えて完全なノイズ画像にする過程と、そのノイズを取り除いて元の画像を復元する過程を学習するモデルです。テキストをベクトル化した情報と一緒に学習させることで、指定した言葉に沿った画像を生成できるようになります。

Stable Diffusionはどのような技術的ブレイクスルーをもたらしましたか。

画像のピクセル空間で直接ノイズ除去を行うのではなく、圧縮した潜在空間で計算する「潜在拡散モデル」を導入したことです。これにより計算負荷が大幅に下がり、家庭用のGPUでも画像生成AIが動作できるようになりました。

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「おちつきAIラジオ」は、日々のAIトピックを現役のAIエンジニア(しぶちょー)と元刑事のポッドキャストプロデューサー(かねりん)がやさしく解説する対談番組です。